デジタルイラスト制作において、ペンタブレットや液晶タブレットの進化は目覚ましいものがありますが、作業効率を左右するもう一つの重要な要素が「左手デバイス」です。
左手デバイスは、キーボード操作を代替し、描画中に頻繁に使用するツール切り替えやキャンバス操作を片手で完結させることを目的としています。
その中でも、CLIP STUDIO TABMATE(クリップスタジオ タブメイト)は、人気ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」専用に設計された左手デバイスとして、多くのクリエイターから注目を集めています。
本記事では、このTabmateがイラスト制作の常識をどのように変えるのか、その実力と魅力を徹底的にレビューします。
- Clip Studio Tabmateの基本機能
- Clip Studio Tabmateのメリット、デメリット
- Clip Studio Tabmateの実際の使用感と活用術
Clip Studio Tabmateとは? 概要と基本機能

CLIP STUDIO TABMATEは、クリスタでの作業効率を最大化するために開発された小型のコントローラーです。
片手で握れるコンパクトな本体に、12個のボタンと1つのホイールを搭載しており、これらのボタンにクリスタの様々な機能を自由に割り当てることができます。
最大の特長は、クリスタの機能をキーボードショートカットを経由せず、直接割り当てられる点にあります。
これにより、複雑な設定をすることなく、直感的に「ブラシ」「消しゴム」「拡大・縮小」「アンドゥ」といった操作を瞬時に実行可能です。
なぜ左手デバイスが必要なのか? 作業効率化の重要性
イラスト制作では、描画作業そのものと同じくらい、ツールの切り替えやキャンバスの移動・回転、そして「アンドゥ(やり直し)」といった補助的な操作が頻繁に発生します。
これらの操作を都度キーボードで行うことは、手の移動が多くなり、集中力の途切れや作業の中断につながります。
左手デバイスを導入することで、利き手はペン操作に集中したまま、もう一方の手で全ての補助操作を完結できます。
これにより、作業のフローが途切れず、集中力を維持したまま描画に没頭できるという、生産性向上に直結するメリットが生まれます。
特にTabmateは、クリスタ専用設計であるため、その恩恵を最大限に享受できるデバイスと言えます。
外観レビュー:外観はチープ?

本体デザイン
Tabmateの本体は、非常に軽量なプラスチック製です。一部のユーザーからは「チープな印象」という声もあるようですが、良くも悪くも普通です。これは後述する携帯性や操作性のメリットにもつながっています。
本体は手に馴染みやすいエルゴノミクスデザインを採用しており、長時間握っていても疲れにくい形状です。
ボタンは親指で操作しやすい位置に集中配置されており、ホイールも直感的に操作できる場所にあります。
軽さとコンパクトさの評価
Tabmateの最大の特徴の一つが、その軽さとコンパクトさです。
単三電池1本で駆動する構造も相まって、非常に軽量に仕上がっています。
この軽さは、デスク上で使用する際だけでなく、iPadなどと組み合わせて外出先で使用する際の携帯性にも優れています。
また、軽量であることは、長時間の作業において手首や肩への負担を軽減する効果もあります。
キーボードに手を伸ばす動作がなくなることと、本体の軽さが相まって、肩こりの軽減につながったというユーザーの声も多く見られます。
初代と「Tabmate 2」の違い
2024年現在、Tabmateには初代と「Tabmate 2」の2種類が存在します。主な違いは以下の通りです。
| 特徴 | CLIP STUDIO TABMATE(初代) | CLIP STUDIO TABMATE 2 |
|---|---|---|
| 接続規格 | Bluetooth 3.0 Class2 | Bluetooth 5.1 Class2 |
| iPad/iPhone対応 | 非推奨または不安定な場合あり | 公式対応、接続性が向上 |
| ストラップホール | なし | 左右に搭載 |
| 電池 | 単三電池1本 | 単三電池1本 |
特にiPadユーザーにとっては、接続の安定性が向上し、公式に対応した「Tabmate 2」を強くおすすめします。
徹底解剖! Tabmateの機能と設定

12個のボタンとホイールの役割
Tabmateには、本体前面に4つ、側面に8つの合計12個のボタンと、キャンバス操作に便利なホイールが搭載されています。
•ホイール(ダイヤル): 主にブラシサイズの変更やキャンバスの拡大・縮小、回転などに割り当てられます。
•ボタン: ツール切り替え(ペン、消しゴム、スポイトなど)、アンドゥ・リドゥ、レイヤー操作、描画色の切り替えなど、使用頻度の高い操作に割り当てられます。
Clip Studio Paintとの連携が神! 専用デバイスならではのメリット
Tabmateが他の汎用左手デバイスと一線を画す最大のポイントは、クリスタ専用であることです。
一般的な左手デバイスは、キーボードの特定のキー(例:Ctrl+Z)をエミュレートする形で機能を割り当てますが、TabmateはクリスタのAPIを通じて機能を直接呼び出します。
この直接連携により、設定が非常に簡単で、クリスタの環境設定画面から直感的に各ボタンに機能を割り当てることができます。
また、クリスタのアップデートに合わせて機能が追加・改善される点も、専用デバイスならではの大きなメリットです。
オートアクションの割り当てで作業を劇的に効率化
Tabmateの真価は、クリスタの強力な機能であるオートアクションをボタン一つで実行できる点にあります。
オートアクションとは、複数の操作手順(例:線画レイヤーの複製、色調補正、特定のエフェクト適用など)を一つにまとめたマクロ機能です。
このオートアクションをTabmateのボタンに割り当てることで、通常は数クリック必要な複雑な処理をワンアクションで完了できます。
これにより、作業時間が大幅に短縮され、特にルーティンワークの効率化に絶大な効果を発揮します。
接続方法(Bluetooth)と対応OS(Windows/macOS/iPad/Android)
TabmateはBluetooth接続を採用しており、ケーブルレスで快適な作業環境を実現します。
| OS | 対応状況 | 備考 |
|---|---|---|
| Windows | 対応 | Bluetooth機能が必要 |
| macOS | 対応 | Bluetooth機能が必要 |
| iPad | 対応(Tabmate 2推奨) | Tabmate 2で接続安定性が向上 |
| Android | 対応 | Bluetooth機能が必要 |
Bluetooth機能がないPCで使用する場合は、別途Bluetoothアダプターが必要になります。
実際に使ってみた! ユーザー目線の使用感レビュー

【メリット】「買ってよかった」と言われる理由
多くのユーザーがTabmateを導入して「買ってよかった」と評価する背景には、以下の具体的なメリットがあります。
利き手を選ばない設計と携帯性の高さ
Tabmateは、左右どちらの手でも握りやすいデザインであり、ストラップホールも左右に搭載されている(Tabmate 2)ため、利き手を選びません。
また、前述の通り、非常に軽量でコンパクトであるため、タブレットと組み合わせてカフェなどで作業する際の携帯性も抜群です。
直感的な操作で描画に集中できる
キーボードショートカットを覚える必要がなく、直感的にボタンに割り当てられた機能を操作できるため、思考が途切れることなく描画に集中できます。
特に、頻繁に使用する「アンドゥ」や「ツールの切り替え」が親指一つで完結するため、作業のテンポが格段に向上します。
価格と機能のバランス
多機能な左手デバイスの中には高価なものもありますが、Tabmateはクリスタ専用という特化された機能を持つことで、比較的安価に抑えられています。
この価格帯で、クリスタの機能を最大限に引き出すことができるため、コストパフォーマンスに優れている点も大きな魅力です。
【デメリット】購入前に知っておきたい注意点
一方で、Tabmateには購入前に知っておくべきいくつかの注意点も存在します。
Bluetooth接続の安定性について
初代Tabmateでは、環境によってはBluetooth接続が不安定になるという報告がありました。
Tabmate 2ではBluetooth規格がアップデートされ、特にiPadでの接続安定性が大幅に改善されていますが、使用環境によっては接続が途切れる可能性も考慮しておく必要があります。
Tabmateはどんな人におすすめ?

おすすめユーザー層(初心者、iPadユーザー、効率重視のプロなど)
CLIP STUDIO TABMATEは、以下のようなユーザーに特におすすめできます。
1.CLIP STUDIO PAINTユーザー全員: 専用デバイスならではの連携の強さは、クリスタユーザーであれば誰でも恩恵を受けられます。
2.iPad/Androidタブレットユーザー: Tabmate 2はタブレットでの作業効率を飛躍的に向上させます。特に、タブレット単体で作業を完結させたいユーザーにとって、キーボードを持ち運ぶ必要がなくなる点は大きなメリットです。
3.効率重視のプロ・ヘビーユーザー: オートアクションの割り当てを駆使することで、ルーティンワークを極限まで短縮でき、制作時間を大幅に削減できます。
4.左手デバイス初心者: 設定の容易さと、クリスタ専用という安心感から、初めて左手デバイスを導入するユーザーに最適です。
他の左手デバイスとの比較
左手デバイスには、Tabmateの他に「TourBox」や「Rev-O-mate」など、様々な製品が存在します。
Tabmateはクリスタでの作業に特化することで、設定の容易さと価格面での優位性を確立しています。
一方、TourBoxは様々なソフトで使用したい、より多くの機能を割り当てたいユーザー向けと言えます。
| 製品名 | CLIP STUDIO TABMATE | TourBox NEO/Elite |
|---|---|---|
| 対応ソフト | CLIP STUDIO PAINT専用 | Photoshop, Illustrator, Premiere Proなど汎用 |
| 接続 | Bluetooth | USB-C, Bluetooth (Elite) |
| ボタン数 | 12ボタン + 1ホイール | 14ボタン + 3ノブ/ダイヤル |
| 特長 | クリスタとの直接連携、設定の容易さ、軽量コンパクト | 高い汎用性、多機能、カスタム性の高さ |
| 価格帯 | 比較的安価 | 高価 |
まとめ:Tabmateは「クリスタ使い」の必須アイテムか?
CLIP STUDIO TABMATEは、そのクリスタ専用という設計思想が、他の汎用デバイスにはない圧倒的な使いやすさと効率化を実現しています。
一部で指摘される外観の「チープさ」は、軽量化と携帯性という実用性を追求した結果であり、機能面では全く問題ありません。
特にTabmate 2の登場により、iPadユーザーを含む幅広いクリスタユーザーにとって、その利便性はさらに高まりました。
最終的な評価として、Tabmateは「クリスタ使い」にとって、もはや必須アイテムと言えるでしょう。
Tabmateを導入することで、あなたはキーボードから解放され、描画作業に完全に集中できる環境を手に入れることができます。
もしあなたがCLIP STUDIO PAINTをメインツールとして使用しており、作業効率の向上に悩んでいるのであれば、Tabmateは最も手軽で効果的な投資の一つとなるはずです。
左手デバイスについて以下にまとめています。
おすすめの使い方や活用術やあなたにおすすめのデバイスがわかります。
ぜひこちらもご参照ください。













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